2010.04.09
必要な保険について
先日,会社に保険会社の方が勧誘にきました.どんな勧誘をやるのかなーと少し興味を持ったので見に行きましたが,かなり初歩的な内容しか扱わず少しがっかりでした.
新入社員が多く入るこの時期,こうした勧誘は多いでしょうし,知識がないと,言うがままに入ってしまうかもしれません.そこで,私が持っている多少の知識をここで整理して,何かの参考になればと思います.
1.保険と宝くじの関係
まずはじめに考えておきたいのは保険とは宝くじであるということです.宝くじでは,みんなからお金を集めて,一定の手数料を控除した後(宝くじの場合大体50%と言われている),幸運な人にお金を還元します.一方,保険では,みんなからお金を集めて,会社の取り分を控除したのち,ケガをしたり(医療保険),死んでしまった人(生命保険)にお金を還元します.
お金をもらう人が,ラッキーな人か不運な人かの違いはありますが,
お金を集める→手数料をとる→残りを配分する
という仕組みに関しては全く同じなわけです.
保険と宝くじの基本は同じということで,宝くじについて考察を深めて,その上で宝くじとの相違点を考えていけば,必然的に保険というものの概要もつかめると思います.
2.人はなぜ宝くじを買うのか
さて,ここで人はなぜ宝くじを買うのかを考察してみたいと思います.よく「宝くじなんて期待値的にマイナスなんだから買うのはバカだよ」という声を耳にします.
正しそうな議論ですが,大切な論点を逃しています.それを示すため,2つの宝くじを想定してみました.あなたが買いたいのはどちらですか?どちらも100円で購入できる物とします.
A. 1%の確率で5000円がもらえるクジ
B.50%の確率で100円がもらえるクジ
どちらを買いたいですか?
このA,B,期待値はどちらも-50円です(0.01*5000-100=0.5*100-100=-50)
でも宝くじとして魅力的なのはAですよね?だってBは当たっても買った金額が戻ってくるだけだし,こんなの買うくらいならはじめから買いませんよね?
期待値が同じなのになぜ,二つの宝くじの魅力度に差が出たのでしょう?
答えは分散です.数学が苦手な人なら「ばらつき具合」と考えてもいいです.
二つのくじの貰える金額の分布を見てみましょう.
明らかにAの方がばらついています.このばらつきこそが,宝くじの魅力になっています.
それでは次の例はどうでしょうか?
A.1%の確率で5000円もらえるクジ
B.0.0001&の確率で5000万円もらえるクジ
どちらもやはり期待値は-50円,還元率50%の宝くじですが,Bの方が魅力に感じるのではないでしょうか?普通の人が普通に生活をしていてぽんと5000万円を稼ぐことは非常に難しいです.でも,万一宝くじに当たれば(実際は「万が一」より低い確率ですけど),5000万円が手に入る,その分散を求めて人は宝くじを買います.
Bに比べてAに魅力がないのは,当たってもたかだか5000円しかもらないからです.小学生ならともかく,大人なら1日働けば5000円くらい稼げるし,もらっても多少は嬉しいですけど,天地がひっくり返るほど嬉しくはありません.なので,ここは期待値に沿って買わないでおこうと考えます.
以上から重要な考察が得られました.
賞金が低い場合→宝くじに魅力は感じない
賞金がうんと高い場合→期待値がマイナスでも,宝くじは魅力的
この「うんと高い」というのは微妙な表現ですが,個人によります.小学生なら5000円で十分に魅力的な額でしょうし,ビル・ゲイツなら5000万円でも不満でしょう.とにかく,宝くじが魅力的かどうかの判断基準の一つは,賞金が「その人の資産状況に重大な変更を及ぼす額」を超えているかにかかっていると言えます.
さて,この事をどうやって保険につなげればいいでしょうか?長くなったしまったので,続きは明日以降投稿します.


